ポールのカナリア 4

アニー・シェラード
~My Bible First より~

ジェーンは約束どおり、ポールに編み物のやり方を教えてくれました。

習い始めてすぐに、ポールは、自分にもできる仕事であることが分かりました。

ペットも、ポールのやることにたいへん興味を持ったみたいで、
彼が使っていた糸をくちばしで引っぱったり、
彼の仕事について、鳥の言葉でああだこうだと言ったりしていました。

しかし、ペットのやることは仕事のじゃまだったので、
ポールはペットをとまり木に戻しました。

しばらくすると、ついにポールの編み物が完成しました。

ジェーンは、とても喜んでくれました。
彼女は、興奮している少年に向かって、

「あなたが作ったものは、私が売ってあげるわ」と言ってくれました。

「この仕事をがんばれば、きっとペットのエサと、鳥かごが買えるようになるわよ」。

ポールは笑いながら、
ジェーンに、「ペットには、鳥かごはいらないんだよ」と言いました。

「でも、お母さんのために、オレンジかリンゴが買えるようになるかもね」。

ペットはとても頭のいい小鳥で、
じきに、ポールが教えたいろいろな芸を覚えてしまいました。

そのひとつが、死んだふりをすることでした。

死んだふりをするようにポールが言うと、
すぐにペットはあおむけに寝っころがり、そのまま動かなくなります。

またポールが、自分のくちびるの間に種をはさむと、
ペットはやさしく種をくちばしでとってから、それを食べてしまいます。

中には、ペットが自分で考え出した芸もありました。

ポールが仕事に熱中していて、自分と遊んでくれないと、
ペットは彼の頭の上に飛んでいき、髪の毛を引っぱるのです。
ときには、まゆ毛を引っぱることもあります。

お母さんは、ポールの変化にたいへん驚きました。

以前は、静かに、寂しそうにすわっていただけなのに、
今では、指を忙しく動かしながら歌っているのです。

ペットも、ポールといっしょに、よく歌いました。
今では、ポールのじゃまをすることもなく、
彼のひざの上にすわって、仕事をする彼をじっと見ています。

ポールは心だけでなく、体もどんどん成長し、
背も伸びていることが、お母さんにはよく分かりました。

いつの日か、彼も大人になって、
自分のめんどうを見てくれるようになるだろうと、お母さんは思いました。

ある朝、まだ日が昇らない前の、とても早い時間に、
とてもはらはらさせられるようなことが起こりました。

ペットがけん命に髪の毛とまゆ毛を引っぱるので、
ポールは目を覚ましました。

「もう少し寝かせてくれよ。まだ起きる時間じゃないんだから」と言いながら、
小鳥をとまり木に戻そうとしました。
ところが、ペットは言うことを聞こうとしません。

(続く)

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